ここではメールに関連するその他のサービスについて説明します。同業他社の差別化のために差の出やすいサービスといえます。中でも代表的な機能について説明します。
メールサーバー側でウイルスやスパムなどの判定を行うフィルタリングサービスです。
メールサーバー側でメールのウイルスチェックを行うサービスです。ユーザーがメールを受信する前に、メールサーバー側で除去します。クライアントサイドで行うアンチウイルスソフトの導入は、今や常識となっていますので必ず必要になる機能ではありません。
アンチウイルスソフトによってはウイルス検出エンジンに差があるため、ウイルスの検出率は異なります。複数のポイントでウイルスチェックを行う事で、検出漏れの確立を低減する効果はあります。
ウイルス検出に使用されるプログラムは、アンチウイルスソフトに検出率の低いオープンソース(無料)のアンチウイルスソフト、商用の検出率の高いアンチウイルスソフトなどホスティングサービスによって差があります。
サーバーに届く迷惑メールをシャットアウトする機能です。迷惑メールは業務に使用をきたしますのであるに越した事はありません。
迷惑メールのフィルタリングに優れた無料のメールクライアントもあります。
オープンソース系(無料)のスパムフィルタは日本語の迷惑メールに弱く、商用のアンチウイルス フィルタと併用して提供する所もあります。
オープンソースでは、SpamAssassin が挙げられますが、現状では日本語のメールに対応していません。安価なホスティングサービスの中には SpamAssassin を使用している所もあります。日本語の迷惑メールに対応しているか確認される事をお勧めします。
特定のメールアドレスの受信や送信を拒否するといった機能を提供する事業者もあります。特に、メール利用にウエイトを置く場合、どのようなメールフィルタリング機能が提供されるかは、サービス選びのポイントになります。
メーリングリスト(ML)とは、一つのメールアドレスに対しメールを送信する事で、ML に関連付けられたメールアドレスに一斉にメールを送信する機能です。ML に対して返信を返せば、ML参加者全員に対してメールが届きます。
提供されるメーリングリスト数が多ければ、部署ごとにメーリングリストを設置し、メールによるディスカッションが可能になります。組織内の利用で機密性が確保される場合は、こちらで説明している条件も満たしている必要があります。
メーリングリストと原理は全く同じものですが、返信は受け付けない一方的な配送になります。ネットショップ運用においては、メールによるプロモーション活動が行えるため、サイトの運用目的によっては魅力的な機能です。
メーリングリストやメールマガジンは同時に複数のメールアドレスに一斉にメールを送信するため、メールサーバーに高い負荷が掛かります。(メールウイルスフィルタが動作していれば、更に負荷が掛かる)
そのため登録メール数や時間に応じて規制を設けられている事が一般的です。このサイトでおすすめとして紹介しているホスティングサービスの中で、メーリングリストを提供する事業者は以下のとおりです。
ホスティングサービス | 提供 ML 数 | メルマガ数 | 制限 | 機密性 |
---|---|---|---|---|
SAKURA | 10 | ― | 1時間に1000通まで | × |
ロリポップ | 5 | 5 | 1MLに付き300通 1メルマガ300通 |
× |
ステップサーバ | 20 | ― | 1MLに付き1500通 | × |
ハッスルサーバー | 無制限 | ― | 1MLに付き不明 | × |
ホスティングサービス | 提供 ML 数 | メルマガ数 | 制限 | 機密性 |
---|---|---|---|---|
C'S Server Personal | 5 | 1 | 1MLに付き300通 1メルマガ3000通 |
○ |
DOSABA | 不明 | ― | 不明 | × |
Heteml | 5 | 5 | 1MLに付き300通 1メルマガ300通 |
× |
X-bit | 1~10 プランにより 異なる |
― | 1MLに付き500通 | × |
プレミア X-bit | 4~12 プランにより 異なる |
― | 1MLに付き500通 | × |
ホスティングサービス | 提供 ML 数 | メルマガ数 | 制限 | 機密性 |
---|---|---|---|---|
アイル iCLUSTA | 1~5 プランにより 異なる |
― | 1MLに付き1000通 | ○ |
C'S Server Personal | 10 | 2 | 1MLに付き500通 1メルマガ5000通 |
○ |
CPI | 1~10 プランにより 異なる |
― | 1MLに付き 1000~2000通 プランにより異なる |
○ |
Drive Network | 制限なし? | ― | 同一ドメイン 登録数制限なし 1通あたり 1MBまで |
○ |
first Server | 制限なし | 制限なし | (1通×1日投稿数 ×メンバー数)が 約20MB以下/日 |
× 有料 |
@Next Style | 不明 | ― | 不明 | ○ |
C3md | 不明 | ― | 不明 | ○ |
NTTスマートコネクト | 10 | ― | 1MLに付き100通 | ○ |
WebARENA Suite2 | 32 | ― | 1MLに付き128通 | × |
機密性は、メールサーバが POP Over SSL / POP Over SMTP 双方に対応しており、安全に組織内利用が可能かどうかを意味しています。 つまり、MLに登録するメールアドレスは、ホスティングと同じドメインのみで利用するケースです。
部署ごとに利用するメーリングリストで最も的を得ているサービスは C'S Server Personal です。提供 ML 数が多く、1MLあたりの登録数も適度です。
メーリングリストはメールコマンドによる操作も行えますが、ホスティングサービスによっては、このような柔軟性の高いインターフェイスを提供している所があるかも知れません。
返信を受け付けないようにする事で、メーリングリストをメールマガジンとして利用できる場合もあります。メーリングリスト、メールマガジンに関して興味がある場合は、目的の運用が可能か事業者に問い合わせるようにして下さい。
ホスティングサービスの中には、WEBブラウザ上でメールを確認できるサービスを提供している事業者があります。また、携帯電話のブラウザに対応したインターフェイスを提供する事業者もあります。
WEBブラウザを利用したサービスは、インターネットに接続された環境であれば、学校やインターネットカフェ、公共のインターネットサービスを利用して手軽にメールを確認できるメリットがありますが、同時にセキュリティリスクを背負うことになります。
社内インフラとしてメールを活用するビジネス用途においては、WEBメールは SSL暗号化で保護される必要があります。しかし、例え通信経路が暗号化されたとしてもインターネットに接続された環境であれば確認できるという性格上、問題もあります。
インターネットに接続できるパソコンがあれば、どこでもメールを確認する事が出来ますが、ネットカフェや不特定多数が利用するパソコンから利用する場合は、アクセスコードが流出してしまう可能性も考慮しなければなりません。
関連 => パソコン内に保存される情報と流出のリスクについて
個人、企業が所有する携帯端末(ノートPC .etc)などからの利用が考えられますが、メールクライアントで POP Over SSL により暗号化された経路でメールを受信する方が簡単であるため WEBメールは必要なサービスではありません。むしろ、自分であれば 社員に WEBメールの利用は規制します。
これらの理由から、私の場合、WEB メールは取り立てて必要となる機能ではないと考えています。