このページからは、ホスティングサービスを選ぶ上で注意したい、メール関連のサービスについて説明します。特に、ビジネス用途でサーバーをレンタルする場合、メールに関する機能は重要な判断材料の一つになります。
このページでは、初めてサーバーをレンタルされる方のために、知っておきたい基本的なメールサーバーの仕組み、基本的な選び方について説明しています。
メールサーバーには、受信 と 送信 の大きく二つの機能があり、それぞれ別のサーバープログラムが処理を受け持っています。
メール受信は、POP サーバ が受け持ちます。POP サーバの仕事は、外部から届いたメールの受信、送信を受け持つメールサーバーに接続し、届いているメールをクライアントが取り出せるようにしています。
安全にメールを受信するには、POP Over SSL に POP サーバが対応している必要があります。
◆ 詳細は、右メニュー 【メール受信】 に関する機能 を参照してください。
メール送信サーバー(SMTP)は、ドメイン宛に届いたメールをサーバーにストックする役割と、クライアントの要望に応じて、メールの配送処理を行います。
組織内メールとして、レンタルサーバーのメールを利用する場合、送信サーバーまでの通信経路が暗号化で保護されている必要があります。具体的には、SMTP Over SSL や STARTTLS にメールサーバー(SMTP) が対応している必要があります。
つまり、ホスティングサービスを選ぶ場合、メール受信、メール送信、それぞれをチェックする必要があります。
◆ 詳細は、右メニュー 【メール送信】 に関する機能 を参照してください。
ISP (インターネット・サービス・プロバイダ) が提供するメールとの違いは、独自ドメインによるメールを利用できる点がもっとも大きく異なりますが、セキュリティ面でも大きな違いがあります。
特に利用者に影響があるのは、メール受信に関してです。以下の図を見て下さい。
ISP から提供されるメールは、基本的にインターネットを経由しません。ISP から提供された回線を用いて組織内ネットワークとして ISP のメールサーバーへ接続しています。つまり、ISP のメールサーバの場合、通信経路の暗号化の必要性は低いということです。
無線LAN の普及により盗聴経路は LAN にも及んでいるため、安全にメールを送受信できるようにしている ISP もあります。
それに対し、ホスティングをはじめとするレンタルサーバー事業者が提供するメールサーバーは、インターネットを経由してメールサーバーへ接続します。そのため、企業の組織内で安全にメールのやり取りを行うには、受信、送信の通信経路が暗号化で保護されている必要があります。
レンタルサーバーが提供するメールサービスのセキュリティ強度は、ちょうど、インターネット上で無料で提供されている(Gmail 除く) フリーメールと大差はありません。
機密性が重要視されるビジネス分野、特にネットショップや顧客との個人情報のやり取りを行うビジネス分野では、メールのアカウント数よりも安全にメールサーバーを利用できるかが、最も重要な判断材料となります。
メールアカウント数や、メールのウイルスチェック機能へ目が行きがちですが、最も重要なのは通信経路が安全であるかどうかです。
メールサービスの最も分かりやすい判断基準として、メールのアカウント数があります。ホスティングサービスのラインナップには、メールのアカウント数でサービスの差別化を行っている事業者もあります。
個人でレンタルするホスティングサービスの場合、それほど重要な判断材料でもありません。
特に、アカウント数を無制限としているホスティングサービスでは、利用者数の多い、企業を対象にしていると考えられるため、メールアカウント無制限で選ぶ場合は、特に安全に利用できるかが重要なチェックポイントになります。
組織内インフラとしての利用は機密性が求められるためです。社内の情報がインターネットを通して頻繁に流れることになるからです。この点について詳細はこちらで説明しています。