ゲートウェイ(出入り口)によるセキュリティ対策、つまり、ゲートウェイを通過する通信の監視では対処できないケースが存在します。特に近年、社会問題化している Winny といった P2P ソフトウェアの問題です。
参照 => Winny (ウィニー) / P2P について
特に Winny の場合、独自に暗号化された通信経路を確立し、決まったポートを使用しないため通信規制が極めて困難です。SoftEther など VPN を容易に構築できるソフトウェアなど通信が暗号化されるケースでは通信内容を監視する事は出来ません。
ネットワークを介して内部から漏洩する情報を規制する場合、これらのソフトウェアが使用する通信を遮断する必要があります。具体的には、特定のインターネットアプリケーションが使用するポートの規制、MSN メッセンジャーなど外部のサーバを利用するサービスは、サーバへの接続を規制する事で対処します。
SSL など暗号化されたパケットは解析する事は出来ないため、通信規制は行えませんが、アプリケーションが使用するポートを規制すれば通信規制は可能です。しかし、Winny のような特定のポートを使用しないアプリケーションや https などのポートを利用する通信の検出、制限を行う事は困難です。
この場合、暗号化されたプロトコルを解析する必要があるため、ゲートウェイで抑制するには専用のパケット解析ソフトウェアが必要になります。
Winny などの暗号化されたパケットフィルタリングが可能な製品を紹介します。
クライアント側で行える対策は次のページで紹介しています。
参照 => Winny (ウィニー)をクライアント側で制限するツール
ONE POINT WALL は、単体でシステム起動が可能なネットワーク IDS (不正行為検出システム)です。シグネチャ(ルール)に基づいたパケットフィルタリング処理により通信規制を行います。バージョンが上がる度にシグネチャ-も充実しており、日本のメーカーであるためサポート面も安心です。
専用OS を使用するため、CD-ROM ブート、インストールも可能です。CD-ROM からブートする場合でログを記録する場合は、USBメモリを使用する事が出来ます。スループット低下率 1% 以下と高速に機能します。
業務に必要のないサービスを規制するためのシグネチャが用意されており、通信規制の難しい Winny や SoftEther など通信規制の難しいパケットフィルタリングも可能です。ブリッジ動作であるため導入が容易です。また、設定はブラウザ経由で行うため管理、運用も簡単に行えます。
One Point Wall の導入には、リピータHUB(バカHUB)が必要になります。現在、リピータHUB を生産しているのは、僅かであり、また、古い機器は 10base/T と速度が出ません。開発元のネットエージェントが提供していますので、選択肢はほとんどありません。
ネットエージェントのリピータHUB は以下から購入できます。
米セキュリティベンダ eEye Digital Security 社が開発、無償提供している Winny の通信を規制するソフトウェアです。日本語版は住商情報システムが無償配布しています。
入手先 => eEyeフリーツールダウンロード SCS住商情報システム株式会社
LAN 内で Winny を利用しているユーザーの IP アドレス と 通信先の IP アドレスを表示する事が出来ます。また、TCP rest パケットを送信元に送りつけることで通信を規制する事ができます。
また、リモートから LAN 内のパソコンを(同時に16 IPまで)スキャンし、Winnyが実行されているパソコンの IPアドレスをリストする eEye Winny Scanner も無償配布されています。
eEye Winny Monitor をインストールしたパソコンを HUB 、スイッチ のミラーポートへ接続します。リピータHUB (バカHUB) であれば通常ポートで監視は可能な筈ですが、既に過去のものなのでミラーリング ポートを持つ インテリジェントスイッチが必要になります。
■ Yahoo! Shopping でミラースイッチを探す >>>
■ プラネックスコミュニケーションズ株式会社
企業向けから個人向けまで幅広いネットワーク機器を扱う専門メーカーです。特にビジネス分野で高い実績があり、ビジネス向けの製品が充実しています。ミラーリング ポート を持つレイヤスイッチは、左メニュー "スイッチングハブ" にあります。
■ コレガ株式会社
個人向け、SOHO 向けのネットワーク機器を中心に販売しているネットワーク機器メーカーです。左メニューの "スイッチングHUB" から探せます。