ゲートウェイサーバとは、ネットワーク上の出入り口に設置するサーバーの事をいいます。この出入り口となるゲートウェイサーバで通信をリアルタイムに監視する事で行うセキュリティ製品を紹介します。
このゲートウェイ(出入り口)を通過する通信をリアルタイムに監視する事で、サイトやメールに含まれるウイルスや、送信されるメールの内容を監視して水際で流出する情報をブロックする事が可能になります。
インターネットへの出入り口で一括してウイルス対策が行えますが、導入にあたっては以下の点に留意する必要があります。
ゲートウェイサーバを設置し通信経路を一本化する事で、社内からインターネットへ送信される情報を一度に監視する事が出来ます。また、インターネット側から送られてくるスパムメールなどサーバー側で規制できれば、クライアントの負担を軽減できるため効率も上がります。
LAN から インターネットへ出て行く情報、入ってくる情報を監視するには、LAN と インターネットの境目にゲートウェイサーバを設置する必要があり、ここで紹介する製品はゲートウェイサーバの構築されている事を前提としているセキュリティソフトウェアです。
小中規模のネットワークで利用される サーバ OS には、マイクロソフト社の Windows Server 2003 Standard や エンタープライズクラスの Linux が一般的です。
CentOS を利用したゲートウェイサーバ構築に関して、このサイトでも紹介していますのでRHEL 系 Linux であれば参考にしてみて下さい。(FireWall ポリシはリニューアル含めて作成予定しています)
また、 Windows Server 2003 がインストールされた 小・中規模向けのサーバーも販売されていますので、これらの導入も併せて検討してみる事をおすすめします。
一般家庭や SOHO においてこのようなゲートウェイサーバを構築する事は可能ですが、ネットワークに関する知識が必要となり現実的ではありません。
一般家庭におけるインターネット環境のゲートウェイ(出入り口)は ルーターとなりますが、ルーター側でウイルスやスパイウェアを検出してブロックするセキュリティ ルーターを提供している 通信事業もあります。
USBフラッシュメモリ や フロッピーディスクといった LAN から持ちこれるウイルスには対応できな為、それぞれのクライアント対策製品は必要になります。また、ノートパソコンなど社外への持ち出しを許可するケースではそれぞれにパーソナルファイアウォールも必要になります。
クライアントそれぞれにウイルス対策ソフトを導入する場合、ゲートウェイで行うウイルス対策製品とは異なるメーカーの製品を利用すると検出率を高める事が出来ます。
メーカーによって検出能力に差があるからです。
ノートパソコンなど社内のパソコンを持ち出さない、無線LAN アクセスポイントは社内に存在しないといった小規模ネットワークでは、パーソナルファイアウォール製品は必ずしも必須ではないため、 クライアント側にはウイルス・スパイウェアを専門に行う他メーカーの製品を導入した方が無駄がありません。
参照 => セキュリティ対策 ウイルス・スパイウェア~ 個人・SOHO
参照 => 中小企業企業向けのウイルス対策 (サーバ/クライアント)
この場合、後述するゲートウェイで内部から出て行くパケットを監視する情報漏洩対策製品を導入するようにします。
中小企業向けセキュリティソフトウェアで実績のあるトレンドマイクロ社の製品です。
ゲートウェイ(出入り口)でメールや WEB サイトに含まれるウイルスのダウンロード、感染を未然に防ぎます。また、ウイルスが検出された WEB サイトのURL は自動的にリストに追加され、次回以降の接続を禁止します。
コンテンツフィルタリング機能により、メールの件名、本文、添付ファイル名、添付ファイルの内容をキーワードでフィルタリングし、インターネットへ流出する情報を未然にブロックする事も可能です。インターネットに接続されたパソコンが25台以上のオフィスにお勧めです。(Windows / Linux 版)
従来のウイルス検出に加え、Control Manager から手供される 「大規模感染予防ポリシー」 に基づき、パターンの分析しウイルス感染を防止する機能を持っています。また、メッセージコンテンツ管理機能により、メール内に含まれる情報を詳細にフィルタリングを行い高度な情報漏洩対策が行えます。
クライアントが WEB ブラウジング中に感染するウイルスをリアルタイムに検出し感染を防止します。OS やブラウザのセキュリティホールを突く攻撃からクライアントをゲートウェイサーバが一括して守ります。
ホームページの閲覧は、メールよりもパケット量が多いためゲートウェイサーバには高いパフォーマンスが要求されますが、通信速度を低下させない特徴を持っています。
メール監視を専門に行うサーバーも販売されています。ブリッジ接続により既存のネットワークに簡単に設置する事が出来るため、導入が容易です。専門のネットワーク技術者を配置できない小規模ビジネス用途にも適しています。
このようなゲートウェイで行う通信内容の監視により行われる対策は、ウイルスやスパイウェア、危険なサイトへの通信規制、メール内容のチェックなど実に様々な対策が行えるようになります。ただし、これらの規制が行えないケースもあります。
暗号化された通信経路を確立して通信を行うケース、例えば、VPN や POP Over SSL などは、暗号化されたパケットが流れるため、ゲートウェイで監視する事は出来ません。
また、メールそのものを暗号化する S/MIME や PGP メールに含まれるウイルスも検出する事は出来ません。(検出できたら暗号化の意味がない) メールに含まれるウイルスであれば、クライアント側でもウイルスを検証する必要があります。
あくまで暗号化されていない通常のパケットに対する対策となります。暗号化は通信の盗聴を防ぐ上で重要なセキュリティですが、ゲートウェイの監視の目をすり抜ける点に注意して下さい。総合的、且、目的にあったバランスが大切です。