ネットショップでは、インターネット上に仮想(バーチャル)店舗を展開する事になります。 インターネット上で店舗を構えるには、具体的に何が必要となるのか、実際の店舗に置き換えて分かり易く説明します。
商品を販売するために必要な機能を持つホームページ(ネットショップ)を構築、運用するために必要な要素を大雑把に説明すると以下のようになります。
サイトを設置する場所、言わば店舗を構える土地のようなものです。これにあたるのがネットショップ(ホームページ)を設置するサーバーと回線です。大手企業の場合、サーバーと回線(専用線)は自社に設置しますが、ランニングコストが高く、また、高い技術力が必要となります。
多くの個人、中小企業のネットショップでは、サーバーをレンタルしてネットショップを設置します。つまり、レンタルサーバーは、インターネットに公開されているためインターネット公開に必要な回線もレンタルしている事になるため、ランニングコストを抑える事が出来ます。
インターネット経由してレンタルサーバーへ接続する事になるため、インターネットに接続できる環境が必要となります。セキュリティに配慮したおすすめのサービスプロバイダはこちらで紹介しています。
ネットショップはインターネット上のみに存在する仮想店舗であるため、ショップの運営者の所在を第三者(公の機関)が証明する必要があります。また、個人情報を取り扱うことになるため、通信の暗号化が絶対の条件となります。
この身元保証と暗号化を同時に実現するのが SSL暗号化技術です。SSL暗号化には公の証明機関(CA)が発行したSSLサーバ証明書が必要であり、取得には身元証明に関する審査が必要となります。取得したサーバ証明書を、WEBサーバに組み込む事でSSL暗号化に対応したWEBサイトを構築する事が出来るようになります。
独自に取得する SSL 暗号化に必要なサーバ証明書は、同時にショップの身元を証明する物ですが、最近では取得も容易になったため身元証明という側面は薄れつつあります。
SSLサーバ証明書の取得が必要となるケース、ならないケース、取得方法、SSL暗号化のなど詳しくは以下を参照して下さい。
参照 => SSLサーバー証明書の取得 ~ ネットショップの身元証明
実際の店舗にあたるのがホームページです。ホームページのタイプは、システムが自動的にページを出力する 【 動的コンテンツ 】 と、エディタ等を使用して自分で作成する 【 静的コンテンツ 】に大別されます。
従来のホームページと同様、ホームページ制作ソフトで作成しサイトを更新する方法です。 ショッピングカートなど商取引に必要な仕組みを追加します。
参照 => ホームページ制作に必要なソフトウェアについて
関連 => 従来型ネットショップ 構築ガイド
※出来合いのデザインから、ブラウザを使用してホームページを作成するソフトウェアもあります。
WEBブラウザからサイト構築、運営が行える CMS を利用したショップサイトです。ブログも CMS により構築されるWEBサイトです。 決済機能やショッピングカートを標準で備えるネットショップCMS を使用する事で、HTMLに関する知識がなくても効率的にWEBサイトを更新できるようになります。
両者には、対照的なメリット、デメリットがあり、ショップ内容にあったスタイルを選ぶ必要があります。また、適したレンタルサーバー事業者も異なります。この点は、追って詳しく説明します。(右メニュー)
参照 => ネットショップCMS とは ~ データベース型ネットショップ
関連 => CMS型ネットショップ 構築ガイド
上記、ネットショップには、買い物・注文に必要なショッピングカートが含まれていますが、商品代金の受け取る方法を考える必要があります。ネットショッピングで利用されている決済は様々な方法があり、それぞれに消費者、経営者に対して異なるメリット、デメリットがあります。
50%近い消費者が利用していると言われるクレジットカード決済や、コンビニ決済を導入するには、個人や自営業者、小規模ショップでは難しく、決済代行会社との契約が必要となります。また、決済代行会社と WEB サイトに組み込むショッピングカート プログラムの連携はプログラム側で対応している必要があります。このため、決済代行を兼ねるレンタルショッピングカートというサービスも提供されています。
参照 => ネットショッピングで利用される決済について
在庫管理や売れ筋商品の分析、顧客情報管理などの情報を効率的に管理する必要があります。リアル店舗もネットショップも同様です。具体的には、データベースソフトウェア、表計算ソフトなどのビジネスアプリケーションを活用します。
構築するネットショップのスタイルによっては、これらの仕組みが提供される場合もあります。総合的に判断する必要があります。
参照 => 情報管理 (データベースソフトウェア)の活用 ~ ネットショップ運用
消費者の購買意欲を高める重要な要素の一つが商品写真です。ネットショップでは、実店舗と異なり、実際の商品を手にとって確認する事が出来ません。 デジタルカメラ と、画像の補正やサイズ変更を行うための 画像処理ソフト が必要になります。
画像を美しくネットショップに陳列するのは、ホームページ上のレイアウトも並行して重要になります。
商品を美しく撮影するために必要な知識とデジタルカメラの選び方など以下で紹介しています。
参照 => デジタルカメラ選び方と基礎知識 ~ ネットショップ運用
ネットショップの運営は、個人情報を扱う事になります。2005年 4月に施行された個人情報保護法では、5,000 件以上の個人情報を扱う事業者に対し、第三者への情報提供の制限や、安全対策が義務付けられました。
外部に情報を流失させてしまった場合、罰則を受ける可能性があります。具体的な安全対策については以下で紹介しています。非常に重要な要素ですので、多くのページを割きました。右メニュー 「情報の流出経路と対策」 「情報漏洩防止・管理ツール」 を参照して下さい。
参照 => 個人情報、機密情報の流出経路について
参照 => 盗難時の情報漏洩対策に重点をおいたノートパソコンの選び方
リアル店舗と同様に、集客のためのプロモーション活動を行う必要があります。ネットショップの場合は、低コストに全国規模のプロモーション活動が行えるメリットがあります。
広告を出さなければ、集客が望めないのはリアル店舗も同じですが、インターネットの世界では、競争が激しく適切なタイミングでプロモーション活動、対策を行う必要があります。また、広告効果は顕著に現れます。特にSEM(検索エンジンマーケティング)対策は費用対効果が高いネット広告配信となります。
参照 => 集客のために出来る事とは ~ ネットショップ構築
上記、ネットショップ運用に必要な仕組みを実現するには、それぞれにソフトウェア・ハードウェアを購入したり、様々なサービスと契約する必要があります。また、どのような契約が必要となるのかは、ショップの運用スタイルによって異なる上、月々のランニングコストも変わってきます。
ネットショップ運用スタイル、それぞれの特徴(メリット・デメリット)、必要となるサービス契約時に注意したい点については以下を参照して下さい。
参照 => タイプ別 ネットショップ構築ガイド