CMS型ネットショップ 構築ガイド
ここでは 『CMS型ネットショップ』 構築に関するアドバイスを紹介しています。CMS型ネットショップ(動的WEBサイト)に共通する特徴については、以下を参照してください。
参照 => ネットショップCMS とは ~ データベース型ネットショップ
CMS を利用したショップサイト構築に関して説明します。ゼロからの開発に比べ開発コストを抑える事が可能です。商品点数が多く、規模の大きなネットショップに適した方式となります。
ネットショップCMS と従来型ネットショップ
こちらで説明している 『 従来型ネットショップ 』 との最も大きな違いは CMS(コンテンツマネジメントシステム)により、全てWEBブラウザ上でサイト構築、運用が可能な点です。また、ショッピングカートプログラムが実装されています。
安全性に関しては、ショッピングカートプログラムの考え方と全く同じです。
WEBサーバー上で動作する "一つのネットショップ アプリケーション" と考えた方が、一般の方には理解し易いかもしれません。
ネットショップCMS の "運用形態" と "それぞれの特徴"
レンタルしたサーバーにインストールする "サーバ設置型 ネットショップCMS" と、サーバとシステムがセットで提供される "ASPネットショップCMS" の二通りの運用方法があります。
サーバーに自前で用意したネットショップCMS をインストールして運用する方法です。このケースでは、サーバ設置型ショッピングカート と同様に、個人情報を盗聴、改ざんから守るため、SSL暗号化が必須の条件となります。
CMS の場合、ショッピングカート含め一つのシステムとなります。個人情報に関わるページのみを暗号化できるかは、CMS、レンタルサーバ選びの重要なポイントとなります。
構築に関するスキルと特徴
このタイプのネットショップ構築・運用に関する特徴をまとめると以下の様になります。サーバ設置型ショッピングカートと多くは共通します。
同一サーバでの運用は、形態に関わらず、セキュリティ面では、同じメリット、デメリットが生じるという事です。
サーバ設置型 ネットショップCMSのメリット
- ショップの身元が証明・保証が可能 (独自SSLを利用する場合)
- SSLサーバ証明書が取得可能なレンタルサーバの場合、同一ドメインでのSSL暗号化が可能です。これにより、同一ドメインでのSSL暗号化だけでなく、ショップの身元を第三の機関から証明されるため、消費者に対するショップの信頼性が格段に向上します。
- システムレスポンスに優れる
- システムをレンタルするASPネットショップCMSと異なり、専用のシステムとなります。その分、システムレスポンスが高くなります。
- CMSに共通する特徴としてサーバーに高負荷が掛かる点が挙げられます。このため、ホスティングサービス(共用レンタルサーバ)を選ぶ時は、なるべく共有数の少ない、導入するCMSの動作確認が取れたサービスを選ばれる事を強く推奨します。
- デザイン・カスタマイズ性に優れる
- CMSは、システムがWEBページを出力するため、"従来型ネットショップ"程の自由度はありません。しかし、自分専用のシステムとなるため、"ASPネットショップCMS" と比較するとカスタマイズ性は高くなります。
- サイトの独自性を出したいケースに適します。
サーバ設置型 ネットショップCMSのデメリット
- 初めての方にはレンタルサーバの判断が難しい
- メリットを生かすためには、SSLサーバ証明書の取得、維持管理が必要です。共用型(ホスティング)レンタルサーバーを選ぶ場合、独自SSL/共用SSL や、CMS が動作条件を満たしているかなど、一般の方には判断が難しいと思います。
- ◆重要
特に、ネットショップCMS の場合、利用するホスティングサービスが動作条件を満たしている必要があります。更に目的のネットショップCMSに対応としているホスティングサービスを選ぶ場合でも、決済や個人情報に関する部分のみを暗号化可能かどうか、事前に確認しておく必要があります。
- 決済代行会社との連携が難しい
- 利用するネットショップCMSによっては、決済代行会社と連携させる場合、プログラムの改造が必要になる場合があります。 (特に、osCommerce などの無料のネットショップCMS を利用する場合 / osCommerce用のモジュールを提供している決済代行会社もある)
- 郵便振替・銀行振込・代引きなどの当事者間での取り引き決済は、どのCMSでも対応しています。
- 設置するサーバーに依存する
- ショッピングカートプログラムによっては、サーバーの環境に依存します。データベースを利用するタイプであれば、指定されるデータベースサーバが提供されている必要がある上、サーバーサイドスクリプト(PHPなど)のバージョンの問題など、一般の方には設置可能であるかの判断、また、設置が難しいと思われます。
- 多くのホスティングサービス事業者では、主要ネットショップCMS の動作確認を行っている所があります。一般の方は、目的とするCMSの動作確認が取れていないホスティングサービスは避けた方が賢明です。
ポイント
ネットショップCMSを開発、販売しているメーカーには、独自に連動した決済代行サービスを行っているケースがあります。利用可能な決済代行会社は限られますが、独自にCMSを改造する必要がない場合もあります。
サーバ設置型ネットショップCMS ~ 具体的な構築アドバイス
このタイプのショップ構築方法、及び注意事項は、以下でまとめています。
参照 => サーバ設置型 ネットショップCMS で構築するショップ
ネットショップCMS をサーバーごとレンタルするサービスです。平たく言えば、構築済みのネットショップを丸ごとレンタルする事になります。このケースでは、サーバーをレンタルする必要がありません。
赤で示した通信経路は、暗号化技術による盗聴・改ざんの保護が必要になりますが最低限必要な仕組みは全て提供されます。
ネットショップそのものをサーバごとレンタルするため、はじめての方でも直に運用を始められるのが最も大きな特徴です。ブログブーム、Web2.0 の影響か、最近このタイプのネットショップを提供する事業者が増えて来ました。
構築に関するスキルと特徴
このタイプのネットショップ構築・運用に関する特徴をまとめると以下の様になります。
ASPネットショップCMSのメリット
- 全てが提供されるため導入が容易
- レンタルサーバー、システム(CMS)がセットで提供されます。そのため、一つの契約でのショップ運用が可能になります。
- SSL暗号化通信が用意されている
- 個人情報を守るために必須となるSSL暗号化の仕組みが標準で提供されます。そのため、独自SSL証明書取得、維持費用が発生しません。
- 独自ドメイン運用を可能としているサービスでは、独自SSLによる運用が可能であるケースも考えられます。
- 無料や低価格のASPネットショップCMS では、十分な安全対策が取られていないケースがあります。ご注意ください。
ASPネットショップCMSのデメリット
手軽にはじめられる形態のネットショップではありますが、デメリットも多くあります。
- 独自ドメインによる運営
- 無料や低価格で提供されるネットショップCMSでは、独自メインによる運用が行えないケースがあります。
- ドメインの重要性については、こちらで説明しています。
- ネットショップ運営者の身元保証
- システムパフォーマンスが低い
- 共用サーバである上、システム(ネットショップCMS)も共用となります。そのため、サーバに高い負荷がかかるばかりでなくシステムレスポンスも低下します。共有数が問題となりますが、多くのサービスは非公開とされています。
- 丁度、フリーのブログ更新が深夜になると重くなるのと同じです。共有数とサーバの性能、バックボーンに依存するため、一概に言えませんが、フリーのブログ程、利用者はいないのでそこまで酷くない筈です。
- ショップの独自性を出し難い (カスタマイズ性が悪い)
- 共用システムであるため、カスタマイズに制約が多く、独自のデザインで差別化を図ることが難しくなります。用意されたデザインテンプレートの色程度しか変更できないサービスも存在します。(特に低価格なサービスほど)
- 提供されるシステムにより差があります。
- 個人情報管理・責任の所在
- 個人情報の入力、管理は第三者を経由して行う事になります。そのため、事業者側で情報漏洩が発生した場合、責任の所在が不明確になります。
ポイント
はじめての方でも手軽にネットショップを始められる魅力がありますが、反面、デメリットも多い点に注目して下さい。 "カスタマイズ性"や、"行えるSEO対策" は、提供されるシステムに大きく依存する事になります。
また、このケースでは、独自ドメインが利用可能なサービスであっても、SSLによるサイト運営者の実在証明が行えないため、消費者に対し、信頼性の低いショップになる点に注目してください。
ASPネットショップCMS ~ 具体的な構築アドバイス
このタイプのショップ構築方法、及び注意事項は、以下でまとめています。
参照 => ASP型 ネットショップCMS で構築するショップ