2006年発売されたコンパクトデジタルカメラ、ハイエンドデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラのトレンドをまとめてみました。
デジタルカメラのジャンルでは、最も製品サイクルが早く、また性能向上が著しいクラスです。もっとも普及している大衆向けのデジタルカメラとなります。
参照 => コンパクトデジタルカメラの特徴と選び方 ~ ネットショップ運用
コンパクトデジタルカメラは、よりスタイリッシュに高級感のあるデザインが最近の流行となっています。携帯性に加えファッション性を重視したデザインに人気が集中しています。
手ぶれ補正を強調した製品が増えており、光学式補正機能を持つカメラも登場しています。手ぶれを補正する機能は、大きく二つのタイプがあります。両方をサポートする製品と、低価格な製品ではISO感度による手ぶれ補正のみのカメラがります。
EVF(エレクトリック・ビュー・ファインダー)液晶とは、CCDが捕えて処理された像をそのまま映し出す液晶の事です。つまり、ファインダーを覗くのではなく、液晶で確認しながら撮影する事が出来ます。ビデオカメラではお馴染みですが、デジタルカメラではコンパクトデジカメ・ハイエンドデジカメ に採用されています。
実際に記録されるイメージを確実に液晶で確認できるため写し損じが少なく、大衆向けのコンパクトデジカメとしては的を得た仕組みといえます。昔は日差しの強い屋外での撮影では暗くて見えない、液晶の解像度が低くかったのですが、近年では、小さなコンパクトデジカメでも高輝度、高解像度、大型により確認し易くが一つのトレンドとなっています。
小さなボディーに対して液晶サイズが大きくなるため、操作ボタンやダイアルが小さくなり操作性が著しく低下した製品もあります。基本的にシャッターを押すだけといった使い方をされる方が多いため、さ程気にならないかも知れません。
デジタル一眼レフのように、ISO800 ~1600 といった高感度撮影を可能にした製品が増えています。撮影に十分な光量が得られない場合、ストロボをたくか、シャッタースピードを遅くして撮影する必要がありますが、前者は雰囲気あるシーンの撮影は出来ず、また、後者は手ぶれが発生します。(シャッター速度優先で撮影できる機種は少ないですが)
感度を上げることで、シャッター速度を上げストロボをたかずに明るく撮影する事が可能になります。ですがコンパクトデジカメの場合、CCD の物理的な面積が小さいため、感度を上げて撮影できたとしても、観賞に耐えないほどのノイズが発生します。
実際、高感度を売りにしているコンパクトデジカメでも、サンプル画像は用意されていることは少なく、解像度を落と(縮小)して意図的にノイズが分からないようにしているケースもあります。ストロボがたけない公衆の場で、「何かをメモしたい、記録したい」 など全く写らないよりは、写った方が良い便利機能、程度に考えた方が無難です。
つまり夜景や星空が綺麗に撮影できると言う訳ではないので注意が必要です。この点は、いくら高感度であっても、CCDの面積が限られるコンパクトデジカメはデジタル一眼レフには適いません。将来的に技術革新で小さなCCDで高感度撮影が実用域に入ったとしても、面積の大きいデジタル一眼レフのCCD は更にその上を行く事になります。
コンパクトデジタルカメラの中には、1000万画素オーバーを売りにした製品があります。しかし、CCD(イメージセンサ)の面積が小さいコンパクトデジタルカメラやハイエンドデジタルカメラでは、1素子あたりのサイズが更に小さくなるため、従来の600万画素クラスのCCD と同等の明るさを得るには、信号を増幅させる必要があります。
CASIO の EXILIM EX-Z1000 のようにCCD サイズを上げたもの、SANYO の DSC-S5 のように510万画素CCD で1000万画素相当に引き伸ばしている製品もあります。DSC-S5は早々に製造中止になっています。
そのため、大きく撮影できても階調表現や再現性も低下します。コンパクトデジタルカメラとインクジェットプリンタでの一般的な印刷用とでは、600~800万画素もあれば十分です。現在では画素数はデジタルカメラ選びのポイントにはなりません。(テレビショッピングではやたら強調されていますが・・)
参照 => 画素数が高いほど画質が優れている訳ではない
コンパクトデジタルカメラのトレンドは、これまでも幾つかありましたが、既に出し尽くした感があります。
低価格デジタル一眼レフの登場で、イマイチ人気がなくなったクラスです。コンパクトデジタルカメラに、シャッター速度優先AE / 絞り優先AE といったマニュアル撮影が行えるデジタルカメラです。
参照 => ハイエンド デジタルカメラの特徴と選び方 ~ ネットショップ運用
このクラスは、一部の製品を除いてコンパクトデジタルカメラと性能は同等です。また、製品サイクルも早いです。
特にデザイン的な流行はありません。機能性を追求した形状となるため様々な形の製品が発売されています。一眼レフのような風貌をしたカメラから、コンパクトデジカメを大きくした革鞄に入れやすい形状のものなど様々です。
EVF液晶は、ハンディーカムのように自由な角度に変更可能で、フリーアングルで撮影可能な製品もあります。
コンパクトデジタルカメラと同様に、手ぶれ補正を強調した製品が増えています。特に、ハイエンドデジタルカメラでは、光学10倍を超える望遠撮影が可能なため、手ぶれ補正に関する機能をサポートしているかは特に重要なポイントになると思います。
光学12倍ズーム 、光学式手ぶれ補正を搭載するおすすめのハイエンドデジカメ
ハイエンドデジカメに搭載される CCD (イメージセンサ)は、コンパクトデジタルカメラと同じです。高感度撮影時のノイズ発生は、デジタル一眼レフと違い実用域にはありません。総体的な写真品質はコンパクトデジタルカメラと大差はありません。
デジタル一眼レフと同等の大型イメージセンサーを搭載するハイエンドデジタルカメラもあります。
デジタル一眼レフは、元来、高感度撮影やレンズ交換による望遠、広角撮影、詳細なマニュアル撮影など様々な用途で活用できるような完成度を持っています。そのため、上記デジカメのように毎年、革新的な機能が追加されるという訳ではなく、新製品のサイクルも頻繁ではありません。
デジタル一眼レフ トップメーカー CANON / Nikon の入門向けデジタル一眼の場合、従来機の操作性、連射速度や画素数の向上、上位機種で培ったノウハウのフィードバック等、改良が中心といった感じです。
低価格デジタル一眼レフ市場を独占している CANON や Nikon 以外のメーカー、新規参入メーカーでは、異なるアプローチで魅力的なデジタル一眼レフを発売しています。
コンパクトデジタルカメラを中心に搭載され始めた光学式手ぶれ補正ですが、デジタル一眼レフの場合、画像劣化を招かない手ぶれ補正には2タイプの方式があります。
レンズ交換式カメラの最大の弱点は、レンズ交換時にほこりがセンサー部に付着してしまい、写真に埃の影が写ってしまう事です。特に、デジタル一眼レフの場合、CCD や CMOS センサーに埃が付着すると、素人ではメンテナンスが難しく、サービスセンター行きになります。
参照 => 受講無料、ニコンの「ローパスフィルター清掃講座」体験記
自分もこの記事を読むまでは、 「お金があればレンズ毎にボディーを買えばレンズをとりはず事もないのにな。」 と思っていたのですが、ズーミングの度に空気が舞い上がり、帯電により付着するので意味がないことを知りました・・・。特にデジタル一眼レフは非常にデリケートであり、この記事を読むと背中が寒くなること請け合いです。
レンズ交換式カメラは画像処理ソフトで行うレタッチを含め、埃とは上手く付き合う必要もあるのですが、ダストリダクション機構をもつデジタル一眼レフカメラは、弱点を克服する一つのアプローチとして非常に魅力的な機構である事は確かです。
ダストリダクション機構を積極的に取り入れているメーカーに、オリンパス、SONY、松下(発売されていない)があります。 (2006年8月現在、オリンパス、SONY の2機種のみ)
特に SONY のα100 は、ダストリダクション、手ぶれ補正 の両方に対応しており、Nikon や CANON にはない魅力があります。