ここではネットショップ運用をテーマに、商品撮影を前提としたハイエンド デジタルカメラを選ぶ上でのポイントを紹介します。
デジタルカメラの種類については、こちらで説明しています。
ハイエンドデジタルカメラは、ハイアマチュア向けに プログラムAE が前提であるコンパクトデジカメに、シャッター速度、絞り優先のマニュアル撮影の要素を組み入れたデジタルカメラとなります。
低価格デジタル一眼レフが発売されブームになる以前は、デジタル一眼レフカメラは業務用途やプロ向けのデジタルカメラであり高価な製品でした。
一見、デジタル一眼レフよりの風貌をしていますが、CCD のサイズはコンパクトデジタルカメラと同様であり、画像エンジンの性能も大差がありません。写真の品質はコンパクトデジタルカメラと大差はなく、夜間など光量の限られるシーンの撮影での高感度(ISO)撮影では観賞に耐えないノイズが発生します。
ただし、シャッター速度優先のマニュアル撮影が可能なため、静止物であれば三脚を用いてそれなりの撮影が行える点がコンパクトデジタルカメラと異なります。
例外のハイエンドデジタルカメラもあります。 SONY Cyber-Shot DSC R1
低価格デジタル一眼レフブーム以降、このユーザーはデジタル一眼レフに移行したため、現在は下火のクラスとなっています。デジタル一眼とコンパクトデジカメの二極化といった感じです。
ハイエンドといってもこのクラスのデジタルカメラの幅は非常に広く、低価格デジタル一眼レフ以上の価格帯から、コンパクト デジタルカメラより、少し高めの低価格な製品まで様々なタイプのデジタルカメラが販売されています。
口径の大きなレンズを搭載するハイエンドデジタルカメラですが、デジタルカメラの心臓部とも言えるイメージセンサーのサイズはコンパクトデジタルカメラと同等であり、ダイナミックレンジの幅は、低価格デジタル一眼レフには遠く及びません。
参照 => イメージセンサ ~ デジタルカメラ選び方と基礎知識
このクラスは、もともと大衆向けであった コンパクトデジタルカメラからハイアマチュア向けに発展したクラスであり、CCD や 画像エンジンなどの基本スペックはコンパクトデジタルカメラがベースとなっています。
そもそも、業務用途で開発が進められてきた高価なデジタル一眼レフの普及版とは、生い立ちが異なります。特に、光量が限られる夜間撮影など、観賞に耐えないノイズが発生するのはコンパクトデジタルカメラと同様です。(画像エンジンの処理により差はありますが)
ハイエンドデジカメの中には、現像を前提とした劣化のない " RAW " 情報を記録できる製品や、デジタル一眼レフのように、Adobe RGB をサポートする本格的な製品もあります。
コンパクトデジタルカメラと異なり、携帯性は重視されていませんが、デジタル一眼レフよりはコンパクトなボディーです。グリップ性が考慮されたデザインでしっかりとホールドできる筐体であるのも本格的な撮影に重点が置かれているためです。
どの製品も共通してシャッター速度、絞り優先の撮影が可能であり、コンパクトデジタルカメラよりも露出補正、絵作りの行い易い設計となっています。
ハイエンドデジタルカメラも基本的にコンパクトデジタルカメラと同様、EVF 液晶による撮影となります。レンズを通して像を見るデジタル一眼レフと異なり、画像エンジンが行う処理を液晶で確認可能なため、初心者は デジタル一眼レフよりも 失敗が少ないというメリットがあります。特にマニュアル撮影時には有効です。
最近では、デジタル一眼レフの中にもEVF 液晶を搭載した製品も出て来ています。
そもそも、デジタルカメラは銀塩(フィルム)カメラと異なり、失敗しても取り直しが利くメリットがあります。しかし、ネットショップで使用する商品撮影で数をこなす必要がある場合は、取り直しやパソコン上での修正は可成少ない方がメリットも多くなります。
口径の大きなレンズと望遠撮影可能なタイプが主流でレンズ一体型となります。低価格帯にあるハイエンドデジタルカメラは、光学で10倍を超える望遠撮影が可能な製品に人気があり、一つのトレンドとなっています。また、広角から望遠まで撮影可能なレンズを搭載する製品もあり、レンズだけでも幅があります。
ズーミングは手動式、電動式のタイプがあり、電動式のズーミングは一眼レフのように "ススー" といったスピード感はなく、 "ズヌ~" といった感じの重たい動作感があります。
商品撮影において、ズーム機能はあまりメリットはなく、接写の方が重要と思われるかも知れませんが、実はそうではありません。(後述)
ネットショップに使用する商品撮影用途におけるハイエンドデジカメのメリットは以下の通りです。
製品によっては 28mm広角から200mm まで幅広く対応できるレンズが搭載されています。そのためデジタル一眼レフのように、レンズ交換にお金がかかりません。広い用途に手軽に使用する点が、デジタル一眼レフにはない魅力があります。
ハイエンドはカテゴリというよりも、プログラムAE であるコンパクトデジカメにシャッター速度優先、絞り優先のマニュアル撮影が行える点がハイエンドであり、心臓部となる CCD や 画像エンジンは、コンパクトデジタルカメラと同じに分類されます。
本格的な印刷用途ではなく、Web サイト上で公開するイメージが主な目的となる場合、レンズのことを考えればハイエンドデジカメが最もコストパフォーマンスが高いデジタルカメラといえます。ここでは、ネットショップで公開する商品撮影に個人的におすすめできる手頃な価格帯のカメラとデジタル一眼に迫る性能を持つおすすめの2機種を紹介します。
Cyber-Shot DSC R1 は、デジタル一眼レフに匹敵するサイズの大型 CMOS センサー、1030万画素を採用しており、ハイエンドデジタルカメラの中ではデジタル一眼レフ並みのトップクラスの階調表現が可能です。また、高感度撮影においてもノイズの少ない撮影が可能で、レンズ別売りとなる低価格デジタル一眼レフと比べてもコストパフォーマンスの高いデジタルカメラです。
◆ 仕様 => http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-R1/spec.html
◆ 作例 => http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-R1/sample.html
PowerShot シリーズは、CANON のハイエンドデジカメのラインナップです。 PoweShot S3 IS は、光学12倍の望遠レンズとISO800の高感度撮影が可能なミドルクラスのデジタルカメラです。絞り優先、シャッタースピード優先の撮影が可能で、一眼レフほどレンズにお金をかけず、幅広い用途で利用したい方に適しています。また、単三電池を使用するため価格も上位クラスのコンパクトデジカメ並に低価格です。
◆ 仕様 => http://cweb.canon.jp/camera/powershot/s3is/spec.html
◆ 作例 => http://cweb.canon.jp/camera/powershot/s3is/sample.html