一言で言えば安心感のあるWEBサイトということになります。個人情報を扱うため、通信経路の暗号化による保護、サーバーレスポンスなどの技術的な問題、サイトデザインなどの第一印象はもちろん、WEBサイトのアクセシビリティ、ユーザーの環境に配慮した際と構築を考える必要があります。
商品に対する詳細な説明や関連するコンテンツなど、訪問者に対して有益な情報方提供するなどの創意工夫、実に様々な要素をクリアする必要があります。
何か一つでも欠ける要素があれば、「消費者に受け入れられる事はない」 ぐらいの意気込みは必要かと思います。
ここでは、商品販売を前提としたホームページ 『従来型ネットショップ』 を構築する上で、気を付けたい事、効率よく消費者に安心感を与えるホームページを作成する上でのポイントなど、自身のデザイナーとしての経験を踏まえてアドバイスします。
ホームページは第三者に情報を提供する方法の一つに過ぎません。WEBサイトのデザインとは如何に情報を整理して訪問者に対して分かりやすく提供する行為そのものです。画像や Flash などを見栄えに拘るばかりに本来の目的を見失っているサイトが多いのも事実です。
どのようなコンテンツを扱うかで、必要なボタンの数や階層構造も変わるため、より分かりやすく整理して情報を提供するためにコンテンツにあったナビゲーションを考えます。
インターネットから訪れる来訪者の多くは、検索エンジンから訪れます。トップページに訪問する訳ではなく、階層の深いページに直接訪れるケースが殆どです。このとき、サイトの中の自分の立ち位置の分からないサイトでは、訪問者は不安になりサイト内の移動をためらいます。
このようなショップは、楽天市場やYahoo!Shoppingなどのショッピング・モール出店しているショップに多く見られます。もともと、集客はモールの検索に頼っている事、また、出店者のスキル不足から来ています。
これはネットショップに限った話ではなく、一般のサイトにおいても言える事でネットショップの場合は成果率に直結する重要な問題です。一般のサイトでもこのサイトのようなテキストを中心とした情報を提供するサイトや個人の趣味などを紹介するサイトとでは情報の整理の仕方、つまり最適なデザインは異なります。
ネットショップも同様に、様々な種類の商品を扱う量販店と地域の特産品を扱うショップとでは情報の整理の仕方も変わってきます。このことを全く理解していない俄かWEBデザイナーが多いので外注する際には注意する必要もあります。
如何に自分のデザインをクライアントに押し通すかを美徳としているあきれたデザイナーもいます。デザインとは見た目で判断できるものを指す言葉ではありません。
どのように情報を整理するかでインターフェイスは変わってきます。つまり、リンク構造も変わります。Google に代表される検索エンジンは、ロボットがリンクを巡る事で、そのサイトの構造を理解し、検索エンジンに登録(インデックス)していきます。
リンク構造が不味いとインデックス、つまり、検索エンジンに全てのページが登録されない可能性も出てきます。Flash を利用して派手さを演出し、伝えたいものがぼやけてしまうだけでなく、Flash をナビゲーションに利用するサイトは殆どの検索エンジンにクロールされず登録されることはありません。
トップページに Flash を配置して、というのは最悪パターンの典型的な例です。
ネットショップの場合、大旨パターンは決まっています。
トップページ → 商品カテゴリ → 商品紹介ページ(注文) → 決済ページ
この基本の流れに、会社概要や送料に関する記述、特定商取引に関する法律の表示義務、キャンペーンなどの共通項が絡みます。
ホームページをはじめとするインタラクティブコンテンツの場合、一般的に人が直感的に理解できる階層の深さは、多くても4つ、3つが理想と言われています。一連の流れを意識したリンク構造は、サイトを構築する上でデザイン以上に重要な項目です。
これらはアクセス解析から判断する事が出来ます。一つは1訪問者あたりのページビュー、そして滞在時間です。アクセス解析ツールによっては、訪問者がどのページからどのページに移動して何処でサイトを離れたか知る事が出来ます。
これらの情報はサイトに対する評価だけでなく、サイト・ナビゲーションを改善する上で重要な情報となります。このサイトで言えば、ページ下にナビゲーションボタンを追加したり様々な工夫で、平均 3PV から 7PV に大きく上昇しました。
ネットショップで言えば商品が売れる可能性が 2倍以上増えた事を意味します。
アクセス数を増やすための工夫は勿論必要ですが、1訪問者あたりのページビューを増やすためには、訪問者の振る舞いを注意深く観察し、アクセシビリティの改善を行う事は重要です。WEBサイトのアクセス解析ツールの導入は必須と言えます。
Google Analytics は、Google が 2005年11月から提供をはじめたASP型 Webサイト 解析ツールです。月間アクセス数は500万ページビューまで無料で、それ以上は有償のサービスとなりますが、一般的なWebサイトでは十分ではないかと思います。
登録はこちら => WEBアクセス解析ツール Google Analytics
無償で利用できるといっても、このツールはもともと Urchin Software 社(Google が買収) の月額数万で提供していた商用ツールであるため、そこいら辺のサーバ設置型アクセス解析ツールと異なり、WEBマーケティングに特化した機能を備えています。
マーケティングに関する専門用語が多く、一般の方には難しい側面もありますが、ネットショップ運用を考えている方は、導入の検討をおすすめします。HTML にほんの数行のスクリプトを埋め込むだけで至って簡単に導入する事が出来ます。
また、SEM に欠かせない "Google Adwords" とも連携しており、ネットショップ運用においては欠かせないサービスと言えます。特に、ユーザーがキャンペーンなどのページへ適確へ誘導できているかなど、視覚的に確認する事が可能でアクセシビリティ改善のために大いに役に立ちます。マーケティングに特化したアクセス解析ツールです。
無料といってもWEBサイトのアクセス状況を Google に提供している訳でもあり、Google も見返りを受けている事になります。 Google Analytics のサーバ負荷がかかり、釣られてサイト表示が重くなる現象がありましたが最近は改善されています。
一般的にデザインという言葉は見た目のイメージを連想される方が多いように思います。ホームページという大きな括りでは、前述したように階層構造とデザインは密接に関わっています。特にWEBサイトの場合、印刷物とは異なり操作性も含めてトータルにデザインする必要があります。
プロのデザイナーが考えているデザインとは見栄えだけではないという点に注目されると宜しいかと思います。中には、クライアントの意向も考えず、個性を前面に出しすぎて自己主張の強いホームページを作成するデザイナーもいます。
そういうデザイナーに限って如何に自分の個性をクライアントに主張し、通すかを美徳としています。WEB制作のプロの現場では、このような人材が多いのもまた、現実です。
ホームページ制作会社は印刷会社(DTP関連業者)が業務の延長上で行っている所も多く、インタラクティブ コンテンツというより、グラフィック(見た目のデザイン)に突出する所も多く外注する場合にも注意が必要になります。
取り扱う商品によって適切なカテゴリ分けや階層構造も異なります。ホームページ制作会社は、基本的に商品やマーケティングに関する知識は持ち合わせていないと考える方が無難です。制作会社、クライアント双方、お互いに方向性をハッキリさせた上で制作を進める必要があります。
どのようなメニューが必要になるか分からないのに、インターフェイスのデザインが出来るとお思いですか? 取り扱う商品に関してクライアント以上に制作会社が知識を持っているとお思いですか?
優れた制作会社はクライアントの意図を汲み取って更に良い見せ方はないか、経験に基づき構成をアドバイスしてくれる筈です。コンサルティング料として別途発生する場合もあります。ホームページのデザインを外注する場合は、共同作業になるという事を、制作会社/クライアント双方で認識しておく必要があります。
これらの理由から、単純にページ単価を設定する事は難しいのが実情です。むしろページ単価でぽっきり系業者は避けるべきです。サイトの方向性や内容がある程度決まってから制作会社に依頼しましょう。そうする事で制作会社は見積もりも出しやすく、また、最終的に完成度も高くなります。
個人規模のネットショップでは、上記ホームページ制作会社に依頼すると規模や技術的要素にもよりますが、少なくても数十万円の出費が必要となります。また、後の更新業務を委託した場合、ランニングコストも掛かります。
ちなみに、最も更新作業が行い易いのは、CMS (コンテンツ・マネジメント・システム)型のネットショップです。更新作業をブラウザ経由で行うため、ホームページ制作ソフトは必要がなくなり、共同作業にも適しています。このタイプのネットショップについては、以下を参照して下さい。
参照 => CMS型ネットショップ 構築ガイド
個人・自営業者規模でのネットショップを考えた場合、初期コストはなるべく抑えたいものです。出来合いのデザインを使用する 『ASP型のネットショップサービス』 や 『ショッピングモール』 活用するのも一つの選択肢ですが、独自性の観点からは、ホームページ制作ソフトを使用して作成するのも現実的な方法です。
特に、農家直営販売や地場産業など地域性のある独自商品を扱う場合、商品点数もそれほど多くない事からも、独自性を出し易い 「ホームページ制作ソフトを利用して構築する 従来型ネットショップ」 は適しているといえます。
参照 => 従来型ネットショップ 構築ガイド
インターネット経験が豊富なユーザーでも、ホームページを作った経験のない方は、ある程度の勉強は覚悟しなくてはなりません。具体的には、HTML の基本的な理解とホームページ制作ソフトの習得です。また、画像処理ソフトウェアも平行して習得する必要があります。
その他、ショップ運用を前提としたレンタルサーバの選択、別途、契約が必要なサービスなど運用スタイルにあったサービスを適確に選ぶ必要があります。特にはじめての方には荷が重いため、このサイトでは初めての方でも理解できるように注力しています。
ホームページ制作ソフトには、基本レイアウトなどのデザインテンプレートが用意されている製品があります。ゼロからページを制作するのではなく、このようなテンプレートを改造することで効率的に制作する事も可能です。
特に、初心者向けのホームページ作成ソフト "ホームページ ビルダー" はテンプレートが豊富です。ポイントは、画像を変更するなどのカスタマイズを行うことで他のサイトとの差別化を意識して作成するという事です。
ホームページの制作を考える前に、アウトラインプロセッサで構成をまとめておくと、効率的に制作作業に入る事が出来ます。
見た目の第一印象は、非常に大切です。例えば、レイアウトがまずく見難いページは、実際の店舗に置き換えてみれば、商品が綺麗に陳列されていないのと同じことです。そのようなショップの店員がしっかり対応してくれるとは誰も思いません。
商品に関するデータは、優先度の高いと思われる情報から順に表示する、限られた位置に配置する、など統一感のあるレイアウトは心理的に安心感を与えます。如何に情報を体系化し、一定の法則に従ってレイアウトフォーマットを階層に応じて用意する必要があります。
また、FireFox や Internet Explore などのブラウザによって、ページレイアウトが崩れる場合がありますので、複数のブラウザで確認する事をおすすめします。特に、Internet Explore は、最も利用率の高いブラウザ(6割強)ですが、W3C の規格を無視するブラウザですので、Internet Explore でしか確認していない方は、複数のブラウザで検証する必要があります。ちなみにシェア2位は FireFox です。
結局、 Internet Explore は、ver7 から独立したブラウザに変更されており、また、仕様も W3C に沿うように心を入れ替えたようです。今さらという気もしますが。
FireFox では、ページタブ内に Internet Explore を表示させるプラグインが配布されています。FireFox で作成したWEBページを確認後、ワンステップで IE のレンダリングエンジンを使って表示を切り替えることが出来て大変便利です。わざわざ、確認の度に IE を立ち上げる必要がありません。 プラグインはリンク先で紹介しています。
内容が伴わなければ意味はありませんが、第一印象は非常に大切です。WEBデザインにおいて見た目の印象を決定付ける要素に、前述したレイアウトの他に、メインビジュアルに使用するイメージがあります。
例えば、トップページで使用するメインビジュアルとなるイメージ、各ページごとのヘッダ部(上部)に使用するイメージなどが挙げられます。
レイアウトはテンプレートを改良する、メインビジュアルはプロのカメラマンが撮影したフォト素材集を活用することで、制作労力をおさえ見栄え良いページを作成する事が出来ます。実際、WEB制作の現場でも使用されているフォト素材集は、次のページで紹介しています。