2005年の現状についてです。CSS / アクセシビリティに関しては、HTML4.01/CSS2.0が勧告された頃とは状況は変わっています。
Netscape 4など中途半端にCSSに対応したブラウザに対し共通の見栄えに配慮する場合、CSSはフォントサイズやカラーなどに最小限に留めテーブルレイアウトととの併用、CSSを環境に応じて使い分けるのが一般的です。しかし、ソースが肥大化するばかりか、NS4のレンダリングエンジンでは描画が重くなります。現状ではこのテクニックは陳腐化しています。
異論はあると思いますが、FireFoxなどMozilla系ブラウザの成功によりNetscape 4系のブラウザは切り捨てても構わないのではないかと思います。Netscape 4系しか利用できないユーザーはいないからです。初心者の場合は特にデザインを凝れば凝るほどテーブルも増え、テーブルに頼れば頼るほどデータ容量、表示速度ともに重くなるという悪循環に陥ります。(注意する事で或る程度回避は可)
また、SEOの観点でも良からぬ結果を招きます。ほとんど利用者のいなくなったNetscape 4などの旧ブラウザのため CSSのメリットを切り捨ててまでテーブルレイアウトデザインに執着するメリットもありません。
いずれにせよ文章論理構造とデザイン、レイアウト情報を分けることの出来ないブラウザは問題です。また、Web制作の依頼を受ける場合も、「クライアントがNetscape4を要求するから」ではなく、説明するのもWeb制作者として必要な事だと思います。
MAC OS は、Windows とは事情が異なります。Windows が動作するPC(パソコン)は、OSをアップグレードすることが可能です。(Linuxも同様) しかし、Macintosh (マッキントッシュ)の場合、全てのパソコンが上位バージョンである OS-X をインストールする事は出来る訳ではありません。
複数のサイトを管理していますが、私の管理するサイト全ての統計では、2005年 8月の ホームページ閲覧者は、Macintosh ユーザーは全体の 8% です。うち、約半分の 3.8 % が Mac OS-9 以前のOSを利用しています。(今後比率は少なくなっていくと思いますが、、)
この MacOS 9 は既に開発、サポートは終了しており、 利用できるブラウザも限られています。MacOS最終バージョンは、OS-9.2.2 、9.2.1以降でさえインストールできない機種も存在します。時期的に Windows 98 ME にあたり、買い替え以外に選択肢はなく、完全に切り捨てられた状態です。
MacOS-9 で利用できる最終リリースのブラウザは、IE-5.1.2 / Netscape 7 / Mozilla 1.3.2 / Opera-6 です。当面はこれらのブラウザで問題なく利用できる CSS に配慮する必要はある思います。
ノーマライゼーションとは、健常者、障害者、全ての人を区別する事無く、全ての人にやさしい、平等という概念です。
インターネットは公共性の強いメディアに成長しました。多くの人に平等に情報を提供するということは、企業のホームページにおいて社会貢献に直結します。すべての人に平等に、そして、やさしいWebサイトは企業イメージ向上にも貢献します。
アメリカではアクセシビリティに関する法律の整備(リハビリテーション法508条)が進んでおり、これらの配慮が義務とされています。W3C / WAI の勧告するアクセシビリティ、CSSは重要であり、今後、国内でもこれらの意識は高まるものと思われます。
リハビリテーション法508条で定められているガイドライン
リンク&資料集:米国リハビリテーション法508条の日本語訳-インフォアクシア
目に見えるデザインは、アクセシビリティ向上の一手段に過ぎず、それが全てではない事を意識する必要があるのではないでしょうか。
冒頭で説明したとおり、Another HTML-Lint は、石野 恵一郎 氏による オンライン上で W3C (WWW標準化を策定する団体)勧告に準拠したHTMLの採点を行なってくれるHTML文法チェッカーです。ここまで解説した内容を理解すれば、取敢えず採点結果のメッセージは理解できるのではないかと思います。
HTML構文ミス以外に
という事に気が付くと思います。W3C 勧告に従いアクセシビリティに配慮したホームページを作成する上でとても有用なツールです。
一言で説明するのは、ちょっと無理でして、当サイト、「Linuxサーバー構築」から離れた内容となってしまいました。
次のページからAnother HTML-lint をセットアップしていきます。