最近は、ホームページビルダーや、GoLive などのHTMLエディタを習得すれば、HTML に関する知識がなくとも見栄えのよいホームページが作成できるようになりました。しかし、HTML(論理構造) を理解していないと思わぬ落とし穴が待っています。
WEB制作、HPデザインに携わる仕事に求められる知識です。HTMLエディタを習得しただけでは仕事は出来ません。
文章を論理的に区分けするというのは、どういうことなのでしょうか。例えば、ページをヘッダ<head>、タイトル<tytle>、ボディ<body>に分けます。ボディには、見だし<h*>や段落<ol>、引用<blockquote>などなど、文章にも様々なタイプに分ける事が出来ます。HTMLはこれをタグで分類することで表現するようになっています。
HTML3.2までは、HTMLタグにレイアウト要素を加えるようになっていましたが、HTML4.0から、HTML本来の論理構造を重視し、レイアウト要素と論理構造を明確に分ける仕様となりました。レイアウト要素はCSS(カスケーディングスタイルシート)を使用します。
市販されているHTMLエディタは、基本的にテーブルを使用してページデザインを行うインターフェイスがメインになっています。また、グラフィカルに操作できる分、直感的であり、論理構造を意識しないで作成する事が出来ます。
つまり、グラフィックス感覚で操作しているとHTML本来の論理構造を無視したHTMLソースコードになりがちです。
これは、使う人のHTMLに対する認識の違いであって、HTMLエディタに問題があるという話ではありません。HTMLエディターがテーブル編集を基本とする理由に以下が考えられます。
1 に関しては、2005年の現状ではブラウザの対応状況も進んでおり、2005年の現状では大きなアドバンテージはありません。
補足
誤解のないように付け加えておきますが、ホームページビルダーなどのグラフィカルなHTMLエディタでは、テーブルベースのレイアウトしかできないという事ではありません。ソースコードの直接編集、補助機能、CSSの編集などのアプローチも可能です。
様々なHTMLエディタが存在しますが、Webデザイナー御用達のツールでは個人的に、Dreameweaver が手作業によるHTMLコード編集が最も行い易いと思います。対してAcobe GoLive はグラフィックツールの延長のようなインターフェイスで両者は対称的です。マクロメディアはオーサリングに強く、Adobe はグラフィック系の会社だけあって製品色ともなっている気がします。(会社は合併しましたが現状維持)
ホームページビルダーは、使用した経験がないのでなんともいえませんが、自分の仲間内では初心者向けの扱いやすいHTMLエディタと言われています。
HTMLエディタを使用した場合、直感的に操作する事が出来ます。よってHTMLに関する知識が無くても作成できます。これは利点でもあり、欠点ともいえます。
2005年の現状では、W3C勧告に従うことはアクセシビリティ ノーマライゼーション トラフィック SEO 様々な観点から CSS の必要、重要性に疑いの余地はありませんが、このような文書論理構造とデザイン・レイアウトを分離したWebサイトは非常に少ないのも現状です。いくつかの考えられる理由を挙げてみました。
HTMLエディタの直感的な編集に依存するWebデザイナーの多い現状では、なかなか移行出来ないのではないかと思います。
これらの現状やXHTMLの需要に伴い、HTML専門のコーディングを専門に行う仕事も出てきています。今後、Webデザイナーにも求められる技能になる筈です。私がそのように考える理由は、Webデザイナーは見かけのデザインだけでなくアクセシビリティの観点からもトータルにデザインを行うべきだと考えるからです。