ここでは盗難時の情報漏洩対策に重点を置いてノートパソコンを紹介していますが、はじめてノートパソコンを購入される方が注意したいノートパソコン選びのポイントについて補足します。
ノートパソコンのサイズは、A4サイズ、A4ワイドサイズ、B5サイズの製品があります。メーカーにより差はありますが、概ね以下を目的としています。
液晶ディスプレイは、一つ一つの素子(ドット)が電気信号により色彩が変化する事で表示します。物理的に素子(ドット)のサイズが決まっている為、CRT(ブラウン管)ディスプレイのように、自由に解像度を変更する事が出来ません。
素子が小さい液晶ディスプレイほど、同じ面積で広いエリアを表示しますが、それだけ密度が高くなるため画像は美しく表示される半面、文字は小さく読み辛くなります。
最近の液晶は技術が進んでおり、B5 サイズの狭い面積でも多くの液晶素子を詰め込み高い解像度を実現しており、価格も高価ですが大きな落とし穴となります。
全てのノートパソコンは液晶ディスプレイとなります。ノートパソコンの利便性を大きく左右する要素ですので、目的にあったノートパソコンを選ぶための液晶ディスプレイ選びのポイントを紹介します。
液晶ディスプレイの仕様を表す上で使われる単位です。
画像を構成する最も小さな四角の事をドット(dot)といいます。
ドットがいくつ直線状に並んでいるか示す単位で横1500pixelとは、1ドットが横方向に1500個並んでいる事を示します。
解像度とは、縦×横 の pixel(ピクセル) の面積を示します。解像度が高いほど沢山の dot(ドット)がある事になります。印刷の場合は、小さなサイズでプリントすれば、面積辺りの密度が高くなるため、それだけ綺麗に印刷する事が出来ます。
話がそれますが、ちなみに、画素数とは、縦と横のドット数を掛けたドットの総数の事で、600万画素とは、600万個のドットと言う事になります。画素数の高いデジタルカメラほど同じサイズで印刷する場合は、密度が細かくなり綺麗に印刷が出来ます。デジタルカメラ性能の指標となっている事をご存知の方は多いかと思います。
パソコンのディスプレイには、CRT(ブラウン管) と 液晶 の二種類があります。液晶ディスプレイの場合、素子 = ドット であり、物理的なドットのサイズが決まっている為、 CRT ディスプレイや、プリンタのように自由に出力解像度を変更する事ができないのです。
イメージで表すと以下の様になります。(実際の比率とは異なります)
解像度 800×600 ドット(SVGA) |
解像度 1,024×768 ドット(XGA) |
解像度 1,280×1,024 ドット(SXGA) |
一つの素子(ドット)は大きさが決まっているため、小さな素子を採用した液晶ディスプレイほど、同じ面積で広いエリアを表示する事が出来ますが、システムフォントなどの文字も小さくなります。 |
感じ方は人によって違いはあると思いますが、実際の液晶ディスプレイサイズと、解像度(液晶素子の密度) は、こんな感じだろうと思います。
実サイズ | 呼び方 | 解像度(ドット) | 適正 |
---|---|---|---|
A4ノート 14型 |
SVGA | 800×600 | 昔のノートパソコンに多かったサイズです。ビジネス文書作成程度です。現在のホームページやグラフィックソフトには解像度が足りません。 |
A4ノート 14型 15型 |
XGA | 1,024×768 | 最も普及している解像度です。14~15型サイズの液晶ディスプレイでは、文字も標準的な大きさで、ビジネスアプリ、インターネット用途には適度な解像度です。グラフィックソフトやWebコンテンツ制作などパレットの多いアプリケーションには解像度がやや不足です。 |
A4ノート 14型 15型 |
SXGA | 1,280×1,024 | グラフィックソフトでは十分な広さが得られますが、14~15インチディスプレイサイズでは、文字はかなり小さくなります。年配の方や近視の方は辛いかもしれません。 |
A4ノート 14型 15型 |
UXGA | 1,600×1,200 | 実サイズ15インチでは、1,600×1,200 ドットを詰め込むと文字はかなり小さくなります。1,600×1,200 では、最低でも20インチ以上のサイズが必要です。15インチではかなり小さく表示されるため一般の方でも目が疲れます。まず、年配の方や近視の方には適しません。この解像度を持つノートパソコンは、かなり高価な機種となります。高ければ良い訳ではないという典型例です。 |
そもそも、ホームページ閲覧やメールなどインターネットを楽しむ、又はビジネスアプリケーション以外の用途では、ノートパソコンは適しません。これらの用途で初めて購入するパソコンとして、ノートパソコンの購入を考えているのであれば、迷わずデスクトップパソコンを購入しましょうという事です。
モバイル用途になると、更に液晶ディスプレイサイズが小さくなります。(12inch) XGA でも目が疲れます。
デスクトップ向けの液晶ディスプレイと異なり、サイズが限定されるノートパソコンの液晶ディスプレイは、高解像度になるほど表示サイズは小さくなり、広い面積を確保します。
解像度を切り替える事は可能ですが、液晶素子(ドット)の大きさは決まっている為、美しく表示できるサイズ(解像度)は、液晶ディスプレイが持つ素子数に限定される事になります。この点が CRT (ブラウン管) ディスプレイと大きく異なります。
高い解像度を持つ液晶ディスプレイは、非常に高価ですが、必ずしも全ての方にメリットがある訳ではありません。特に初めてノートパソコンを購入される方は、CPU や GPU などの性能よりも注目したいポイントではないかと思います。
※Windowsでは、システムフォントのみを大きくする事は可能ですが、特定のホームページやアプリケーション内のパレットなど全てに対応できる訳ではありません。
家電ノートパソコンのトレンドに、高輝度、表面光沢 というのがあります。非常に明るく、また、表面にガラスのような光沢があります。
ノートパソコンで DVD 観賞 や 画像を見る場合、美しく映えますが、通常の作業を行うには周囲の写りこみが激しく、意味のない輝度は目が非常に疲れるため長時間作業を行うのには適しません。
最近では、ビジネス用のパソコンにもこのような意味不明な液晶ディスプレイを搭載する製品も多くあります。現在は 光沢なし を謳い文句にした製品も出てきており逆戻りしています。
液晶ディスプレイは、ノートパソコンを選ぶ行為そのものといえますので慎重に選んでください。高解像度、高輝度、光沢仕上げは高価ですが、必ずしも全ての用途に適しているとは限りません。
グラフィックス系ソフトウェアの中で、最もパレットが多く高い解像度を要求するのは3DCG系のソフトウェアです。ノートパソコンには、3DCG制作に適しているとしている製品も実際に販売されていますが、注意したい事があります。
実際には解像度が高くても、ノートパソコンの液晶サイズは限定されるため、凝縮されて表示される事になります。つまり、確認のための余計なレンダリングコストが掛かる為、生産性が大きく下がります。
特に、3Dグラフィックス関連のソフトウェアは、ビデオカードとの相性問題があり、ビデオカードを交換できないノートパソコンは、本格的な3DCG制作を前提とした場合は、どのような機種であってもNGです。
3DCGやCAD の使用を前提とするのであれば、目的のソフトウェアが指定するチップを搭載するノートパソコンを選びましょう。 業務用のソフトウェアであれば、nVIDIA社 の Quadro チップ、又は ATI 社の FireGL チップ 何れかになると思います。
GeForce / RADEON チップはゲーム向けのチップですので、3D にインターフェイスの役割を必要とする業務用途の CAD / 3DCG 系のソフトウェアでは、ハードウェアオーバーレイに関する問題で不具合が起きる可能性が高くなります。
3DCG制作を前提としたパソコンの選び方は以下のサイトで紹介していますので、参考にして下さい。(姉妹サイトです)
参照 => 3DCG 制作環境(パソコン)に必要な3つの条件
参照 => ビデオカードの選び方 ~ ゲーム用途 と 3DCG制作用途
グラフィックス以外でパレットメニューが多く、解像度を要求するソフトは、CAD 系のソフトが考えられます。こちらは、3DCG(コンピュータ グラフィックス)と異なり、イメージの計算を必要としません。この用途でもでデスクトップパソコン、CRTディスプレイをお勧めします。