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phpGroupWare インストール ~ CentOS-4.5

本稿で説明する phpGroupWare の導入はパッケージ管理(rpm) された CentOS-4.5 と 自組織での利用を想定しています。(インターネット経由での利用も含む)ホスティングサービス等において設置を考えている方は事業者にお問合せください。特にセキュリティに関しては重要ですのでこの点を踏まえて検討してください。

日本語で利用できる無償のグループウェア

無償で利用できるグループウェアには幾つかありますが、日本語環境で利用可能なグループウェアは限られており、最近になってLa!cooda WIZ もサポートを終了しています。オープンソースでは phpGroupWare が有名です。

  • phpGroupWare 本家 http://phpgroupware.org/
    • Linux では有名なグループウェアで様々なオープンソース・アプリケーションから構成されています。マルチバイリンガルな仕様ではありませんが、国内でも日本語化を行っているプロジェクトが複数あります。
  • eGroupWare http://www.egroupware.org/
    • phpGroupWare から派生したグループウェアですが、こちらはマルチバイリンガルな仕様となっており日本語にも対応しています。ただ、使用言語に日本語を選択しても一部のメニューが日本語化されているだけです。また、翻訳に日本人が関っているように見えません。

phpGroupWare の日本語化プロジェクト

phpGroupWare の日本語化を提供しているプロジェクトに以下がありますが、何れも活動休止状態にあるようです。

  • ITはあと
    • 日本語化-差分パッチを提供しています。 2007.10段階のバージョンは 0.9.16.012提供されるパッチが適用可能なバージョンは 0.9.16.03で2004年以降、ストップしています。
  • phpGroupWare日本語化プロジェクト
    • 休止状態にありましたが、2007年 10月に新バージョンをリリースしました。日本独自の仕様変更も加えられています。尚、Debian 環境で開発、検証されているため、RHL系 Linux ではパッケージの差異により何らかの不具合が出る可能性もあります。
    • 本稿ではこちらの phpGroupWare を導入します。

ソースの入手と動作環境について

phpGroupWare日本語化プロジェクト から、10月 3日にリリースされたばかりの phpGroupWare 0.9.16.012-jp pre1 を使用します。ここでセットアップした環境は以下の通りです。

サーバ環境 CentOS-4.5 (全てパッケージ管理)
WEB サーバ Apache-2 (SSL接続)
MAIL サーバ 送信サーバ Sendmail-8.13
受信サーバ Qpopper4 (POP3のみ)
Dovecot-0.9.9 (IMAPSのみ)
DB サーバ MySQL-4.1 動作が不安定
PostgreSQL-7.4.1 一部のモジュール覗き動作

関連する環境の構築に関しては表中のリンク先で紹介しています。

LDAP に関して

本稿では LDAP によるユーザー管理は想定していません。アカウント管理は phpGroupWare 管理者が行う事を想定しています。多くのユーザーを抱える場合は LDAP による一元管理をお勧めします。

参照 => LDAPを利用したphpGroupWareカウント運用

電子メール・モジュールに関して

受信サーバにおいては、Qpopper-4 において POP3 の接続は確認しましたが POP3S(995) 接続は未検証です。また TLS (110) 受信には対応していないため、Dovecot の IMAPS (993) のみを利用する方向でセットアップを行いました。

POP3 / IMAP 共、TLS 認証は上手く動作しませんでした。

phpGroupWare と メールサーバが同一ホストであれば IMAPS や POP3S などの暗号化は必要ありません。POP3 で受信可能であれば用は足せます。

ここでは、取りあえずまだ受信していないメールの確認が行えればそれで良しとしており、本格的な IMAP 運用は想定していません。(IMAPについて調べてください。私は興味がありません)

ここでは、同一ホストで IMAPS を利用する方向でセットアップしていますが、IMAP特有の maildir は前提としていません。

SMTPサーバも同様で SMTP認証には対応しているものの SSL/TLS 接続は行えないようです。送信サーバは同一ホストを指定した方が良いと思います。

電子メール・モジュールに必要なパッケージ.

電子メール アイコン

phpGroupWare の電子メール・モジュールを利用する場合、IMAP に限らずPOP3を利用する上でも c-client ライブラリが必要です。

CentOS-4.5 の場合はライブラリを追加するだけで利用可能になります。PHPの再コンパイルは必要ありません。

# rpm -qa|grep php-imap

でインストールされていなければ

# yum install php-imap

でインストールして下さい。依存関係にある c-client もインストールされます。

本稿でのセキュリティ・ポリシについて

本稿では phpGroupWare へのアクセスは情報漏洩の観点から SSL に限定する方向で説明していますが、WEBサーバのSSL化については触れていません。 Apache の SSL化に関しては以下を参照して下さい。

参照 => セキュアWEBサーバー構築

特にSSLによる暗号過保護が求められるケースは、広域ネットワーク(インターネット)からの利用を想定した場合です。基本的に 組織内の機密情報、WEBメールやアドレス帳などの個人情報の漏洩を防ぐため WEBサーバ側で SSL に限定すべきです。

LAN 内の利用に限定すれば必ず必要になると言う訳ではありません。

セットアップの流れ

インストールは phpGroupWare を設置したディレクトリを Web サーバで公開する作業となりますが、以下の手順を踏む必要があります。

  1. データベースの準備 (PostgreSQL / MySQL)
  2. phpGroupWare 設定ファイルの修正
  3. Web サーバの公開設定 (接続制限等の設定)
  4. コンフィギュレーション (テーブルの作成と環境設定)

はじめて DB サーバーをセットアップするようなケースでは手間がかかりますが、既に環境が整っている場合は、それほど難しくありません。

phpGroupWare の入手

phpGroupWare日本語化プロジェクト より phpGroupWare 0.9.16.012-jp pre1 を入手し、任意のディレクトリへ展開して下さい。ここでは、/var/www/phpgroupware に設置し、最終的に Apache で公開すると仮定します。パスは適宜置き換えて下さい。

設置したら phpGroupWare に必要なデータベースを準備します。

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