本稿で説明する phpGroupWare の導入はパッケージ管理(rpm) された CentOS-4.5 と 自組織での利用を想定しています。(インターネット経由での利用も含む)ホスティングサービス等において設置を考えている方は事業者にお問合せください。特にセキュリティに関しては重要ですのでこの点を踏まえて検討してください。
無償で利用できるグループウェアには幾つかありますが、日本語環境で利用可能なグループウェアは限られており、最近になってLa!cooda WIZ もサポートを終了しています。オープンソースでは phpGroupWare が有名です。
phpGroupWare の日本語化を提供しているプロジェクトに以下がありますが、何れも活動休止状態にあるようです。
phpGroupWare日本語化プロジェクト から、10月 3日にリリースされたばかりの phpGroupWare 0.9.16.012-jp pre1 を使用します。ここでセットアップした環境は以下の通りです。
サーバ環境 | CentOS-4.5 (全てパッケージ管理) | |
---|---|---|
WEB サーバ | Apache-2 (SSL接続) | |
MAIL サーバ | 送信サーバ | Sendmail-8.13 |
受信サーバ | Qpopper4 (POP3のみ) | |
Dovecot-0.9.9 (IMAPSのみ) | ||
DB サーバ | MySQL-4.1 | 動作が不安定 |
PostgreSQL-7.4.1 | 一部のモジュール覗き動作 |
関連する環境の構築に関しては表中のリンク先で紹介しています。
本稿では LDAP によるユーザー管理は想定していません。アカウント管理は phpGroupWare 管理者が行う事を想定しています。多くのユーザーを抱える場合は LDAP による一元管理をお勧めします。
参照 => LDAPを利用したphpGroupWareカウント運用
受信サーバにおいては、Qpopper-4 において POP3 の接続は確認しましたが POP3S(995) 接続は未検証です。また TLS (110) 受信には対応していないため、Dovecot の IMAPS (993) のみを利用する方向でセットアップを行いました。
POP3 / IMAP 共、TLS 認証は上手く動作しませんでした。
phpGroupWare と メールサーバが同一ホストであれば IMAPS や POP3S などの暗号化は必要ありません。POP3 で受信可能であれば用は足せます。
ここでは、取りあえずまだ受信していないメールの確認が行えればそれで良しとしており、本格的な IMAP 運用は想定していません。(IMAPについて調べてください。私は興味がありません)
ここでは、同一ホストで IMAPS を利用する方向でセットアップしていますが、IMAP特有の maildir は前提としていません。
SMTPサーバも同様で SMTP認証には対応しているものの SSL/TLS 接続は行えないようです。送信サーバは同一ホストを指定した方が良いと思います。
phpGroupWare の電子メール・モジュールを利用する場合、IMAP に限らずPOP3を利用する上でも c-client ライブラリが必要です。
CentOS-4.5 の場合はライブラリを追加するだけで利用可能になります。PHPの再コンパイルは必要ありません。
でインストールされていなければ
でインストールして下さい。依存関係にある c-client もインストールされます。
本稿では phpGroupWare へのアクセスは情報漏洩の観点から SSL に限定する方向で説明していますが、WEBサーバのSSL化については触れていません。 Apache の SSL化に関しては以下を参照して下さい。
参照 => セキュアWEBサーバー構築
特にSSLによる暗号過保護が求められるケースは、広域ネットワーク(インターネット)からの利用を想定した場合です。基本的に 組織内の機密情報、WEBメールやアドレス帳などの個人情報の漏洩を防ぐため WEBサーバ側で SSL に限定すべきです。
LAN 内の利用に限定すれば必ず必要になると言う訳ではありません。
インストールは phpGroupWare を設置したディレクトリを Web サーバで公開する作業となりますが、以下の手順を踏む必要があります。
はじめて DB サーバーをセットアップするようなケースでは手間がかかりますが、既に環境が整っている場合は、それほど難しくありません。
phpGroupWare日本語化プロジェクト より phpGroupWare 0.9.16.012-jp pre1 を入手し、任意のディレクトリへ展開して下さい。ここでは、/var/www/phpgroupware に設置し、最終的に Apache で公開すると仮定します。パスは適宜置き換えて下さい。
設置したら phpGroupWare に必要なデータベースを準備します。