せっかく第三者に踏み台にされない、送受信を暗号化で保護出来るメールサーバーを構築しても、そこで動かすメーリングリスト管理システムに穴があっては笑い話しにもなりません。
第三者に踏み台にされるだけでなく、メールの内容がWebに公開されてしまう可能性もあるので慎重に行う必要があります。この点を十分認識したうえで確認を行ないます。
理解しやすくするために、本稿では、学内利用を例に 3者+α のそれぞれの立場で説明します。
本講のメーリングリスト導入は、どちらかと言えば、不特定多数が参加するメーリングリストよりは、限られた組織内で利用する情報共有、連絡を目的とした議論型のメーリングリストを想定しています。
ポイントは、メーリングリストとは登録されたメールアドレスにメールを配送するというセキュリティ上、重要な機能を、サーバー管理者の手を離れ、講師に一任するという点です。
動作確認を兼ねて、test-ml@hogehoge.com というメーリングリストを新規に作成する例で基本設定と動作の確認手順について説明します。
補足:これらの作業は、MLサーバー管理者の権限で行なう事になります。第三者にアクセスされては困るURLなので、セキュリティ対策については、前述した「Apache の設定について」を参照して下さい。
動作を確認するにあたり、テスト用のメーリングリストを立ち上げます。メーリングリストの作成は、Milman システム管理者がおこないます。ブラウザで、以下の管理者用のアドレスにアクセスします。
初めてアクセスする場合は、現在、外部に公開されているMLはありませんといった旨のメッセージが表示されています。
"新しいメーリング リストを作成する" のリンクをクリックします。
左は 1度メーリングリストを作成すると表示される画面です。
リストの名前: test-ml
メーリングリスト名を入力します。サーバが hoge.com であれば、test-ml とすると MLアドレスは test-ml@hoge.com になります。
初期パスワードを自動生成しますか?: いいえ
いい絵を選択した場合は、パスワードをここで入力します。自動生成の場合は、リスト管理者宛に送られてくる案内メールにパスワードが記載されています。
Webの通信経路が暗号化されているのであれば、いいえ、にしてパスワードをここで設定する方が安全です。
リスト管理者アドレスの初期設定: hogeop@hoge.com
メーリングリスト test-ml@hoge.com に対する管理者メールアドレスを作成します。
リスト作成者の認証パスワード:
Mailman をインストールした際に /usr/lib/mailman/bin/mmsitepass スクリプトで作成した 管理者パスワード を入力します。
それ以外はデフォルトのままで、ページ下部にある "リストを作成する" ボタンをクリックします。
メーリングリスト test-ml を作成し, 管理者のhoge@hogehoge.netに通知を送りました. 引き続き ...
リストの案内ページへ行く
MLに参加したい人が手続きを行う画面です。
リスト管理ページへ行く
MLの性格付けを定義する管理画面です。アクセスするには リスト作成時に登録したパスワードが求められます。
別のメーリングリストを作成する
という画面が表示されます。リスト管理者アドレス(作成したメーリングリストのオーナー、ここでは講師)宛に Mailman から案内メールが送られますので、メーリングリストオーナーは 届いたメールの記載されたML管理画面へアクセスし、メーリングリストの動作設定を行います。
例えば、添付ファイルの制限や、参加者全員にメールが配送される議論型にするのか、あるいは、送りっぱなしのメールマガジンスタイルの挙動にするといったMLの性格に関わる設定です。
それらが出来てから MLに参加する人に参加を求めていく、といった流れになります。引き続き、メーリングリストオーナー(講師)の立場で設定を行います。