ここからは LAN内のサーバーに WordPress が動作する環境を構築するために必要な環境の構築手順について見ていきます。
CMS は WordPress を対象にしていますが、PHP と SQLデータベースで動作する CMS の場合も、要求しているバージョンやモジュールなどの個別要件を除いては、セキュリティに対する考え方は共通します。
このページでは サーバー管理者側が、サイト運営者にCMSの利用を認めるのに必要な手続きについて説明しています。このサーバーにCMSを導入するサイト運営者側の視点は、「3.サーバ管理者側の作業」は読み飛ばして、次のページ、右メニュー「4.クライアント側の留意点」を参照してください。
PHPによって書かれているCMSに求められるサーバー要件は、WordPress に限らず概ね共通しています。その CMS が要求しているバージョンやモジュールをサーバーが満たしているかどうかがチェックポイントです。
yum などのツールを使って、これらのパッケージを事前にインストールしておく必要があります。またMySQL や PostgreSQL など事前にデータベースサーバーが適切に構築されている必要があります。説明は割愛します。
当然ですが、このほかにも Bind による名前解決(DNS)や、時刻同期、サーバーが配置される場所によっては、ファイアウォール等の適切な設定など、サーバーとしての下地の上にこれらが動作条件として必要になります。
このように最初からサーバーを構築するのは大変な労力が必要なので、制作会社のようなケースでなければ、前ページで触れたXAMPPの導入をおすすめします。このサイトの趣旨から外れるので、このサイトでは手順は説明していません。
動作に必要なモジュールがインストールされているか調べて、必要があればインストールしておきます。サードパーティのプラグイン等が本体の動作要件とは別にモジュールを必要とする場合があるかもしれません。
本稿の説明はプラグインを除く本体のみの利用を前提としています。ちなみにphp-mysqlは、PHPで MySQLを操作するために必要なので、PHPで動作する CMS には必須のパッケージです。
ホスティングサービスを利用している場合で不明な方は、契約している事業者に、契約しているサーバーが動作条件を満たしているか、問い合わせが必要になります。WordPressに追加するプラグインによっては、別途 PHPモジュールが必要になる場合があります。
ホスティングサービスを利用している場合は、サーバーが動作要件を満たしているか、レンタルサーバー業者に確認する必要があります。その際に CMS の動作要件をサーバー管理者に伝えましょう。レンタルしているのが専用サーバーなら、単に自分で揃えればいいだけの話です。
サーバー管理者がユーザーに対して CMS を自由に設置して運用できる環境を提供するために必須となるサービスは以下の通りです。
重要:LAN内のサーバーで、クライアントはLANの制作スタッフ等に限られる場合は、必ずしも、通信経路を暗号化する必要はありませんが、インターネットを介してクライアントにサービスを提供する場合は、これらいずれにも SSLによる通信経路の暗号化による保護は必須となります。
これらのサーバー管理者がユーザーにホスティングするために必要な項目について、順を追って説明します。
ホスティングサービスを利用していて WordPress を導入する手順について調べている方は、ページを読み飛ばしてセットアップ手順を参照して下さい。ただ、サイト運営者が、サーバー管理者の視点で見ることで、自分がレンタルしているサーバーの仕組みも見えてきます。これはセキュリティについて考えたり、サーバーをレンタルする上でサービスの善し悪しを判断する手助けになると思います。